911 since 1963
911水冷の時代
水冷エンジン
ポルシェ911は、993型で空冷エンジンの終了を迎え、1997年から水冷エンジンを搭載した911の生産を開始しました。空冷から水冷に変えることによって、エンジンの温度調整がしやすくなり、排ガスの規制にも対応しました。
996
- 911シリーズ初の水冷エンジン
911で最初に水冷エンジンを搭載したモデルが996です。
1997~2004年の期間で生産され、前期型(1997~2001年)/後期型(2002~2004年)で大きく仕様が変わりました。
見た目の大きな特徴が涙目型のヘッドランプですが、前期モデルではボクスターと共通のフロントマスクとなっています。
後期モデルではヘッドランプは全モデル、911ターボの形状が採用されました。
997
- ATモデルでPDK搭載
997型は996をベースに80%以上の部品を一新しました。
また多くの911ユーザーから人気の低かった涙目型ヘッドランプが、993型までの丸目型に戻されました。
2004~11年まで生産され、08年6月のマイナーチェンジで前期型/後期型に分かれます。
前期モデルは6速MTと5速ティプロトニックSのトランスミッションを搭載し、後期モデルでは5速ティプトロニックSが7速デュアルクラッチのPDKに変更されました。
991
- 後期型はツインターボ化
991は外観上997と大まかには同じです。
ボディサイズで比較すると、997が全長4,435mm/全幅1,810mm/全高1,310mm/ホイールベース2,350mmに対し、991は全長4,500mm/全幅1,810mm/全高1,305mm/ホイールベース2,450mmです。タイヤサイズは997が18インチ、991が19インチとなり、991はロングホイールベースとタイヤの大径化により、997より一回り大きくなっています。
また991は2011~19年までの生産期間中に行なわれた2015年のフランクフルトモーターショーでマイナーチェンジ版が発表され、2016年モデルから後期モデルとなりました。
後期モデルは911全モデルをツインターボエンジン化するビッグマイナーチェンジとなったため、「991.2」または「991Ⅱ」とも呼ばれます。
前期型ではターボモデル以外は3.4L/3.8LのNAエンジンでしたが、991.2ではカレラ、カレラ4、カレラSなどグレード名にターボが付かないモデルの多くが3.0リッターツインターボエンジンとなり、「911ターボ」「911ターボS」などグレード名に”ターボ”が付くモデルと「911GT2 RS」は3.8リッターツインターボエンジンを搭載。
「911GT3」のみ、4.0リッターNAエンジンを搭載しました。
992
- 911最新モデル
992は2019年9月ごろ日本で販売開始となりました。
大きな特徴はフロントタイヤを20インチ、リアタイヤを21インチまで大径化し、テールランプを993のように直線のデザインに変更しました。
ボディサイズは991より全長19mm、全幅42mm、ホイールベース100mm延長され、ワイドボディ、ロングホイールベース化されています。
トランスミッションのPDKは991の7速から992では8速化され、7速、8速がオーバードライブ化されたことにより、高速クルーズでのエンジン回転数適正化と快適性向上を実現。
メーターにはナビゲーションマップの表示、インフォテインメントシステム PCM(ポルシェ コミュニケーション マネージメントシス テム)、レーンキープアシスト、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の採用や、ウェットモードの新設など、最新の運転支援システムや電子制御などが搭載され、これまでのモデルよりも明らかな多機能化を果たしました。
911 - PORSCHE
911は水平対向6気筒エンジンとRR駆動の設計を半世紀以上も継続させ、スポーツカー市場では唯一無二の存在です。
ポルシェの歴史を辿ると、911の魅力により気づきます。