911 Speedster の歴史
スタイリッシュなオープンボディーに500psオーバーのハイチューンエンジンを組み合わせた「ポルシェ911スピードスター」。
誕 生は356の時代まで遡ります。
ハ イパフォーマンス×オープントップを兼ね備えたスピードスターモデルは、ポルシェという企業の歴史の一部となっています。
「356アメリカロードスター」はこれらすべてのスピードスターの祖先です。この車のアルミ製ボディは手作業で製造され、搭載した70PSの4気筒ボクサーエンジンは当時としては驚愕の最高速度180km/hをマーク。
アメリカ市場向けに開発され、わずか16台しか製造されなかったこの希少なスポーツカーは、はめ込み式のウインドスクリーン、折り畳み式レインカバートップ、軽量バケットシートを備えており、スピードスターのデザインにとって重要な要素をすでに備えていました。
そして1954年、ポルシェは356アメリカロードスターを簡素化したはるかに安価なバージョンを製造。このモデルには初めて「スピードスター」の名が与えられ、モータースポーツ界に旋風を巻き起こしました。
この「356 1500スピードスター」は米国でわずか2,995ドルで販売され、瞬く間にヒット。ハリウッドスターで自身も熱狂的なレーサーだったジェームズ・ディーンも、この純粋にドライビングプレジャーのみを追求した妥協のない車を選びました。
その後も356スピードスターの後継が続々と生まれ、1957年に登場した「356 A 1500 GSカレラGTスピードスター」はポルシェの市販車で初めて最高速度200km/hを達成し、モデルとしてのピークに。
1988年には911シリーズにスピードスターバリエーションが導入されました。
911の中で最も開放的なこの車は、出力231PSの911カレラをベースにワイドなターボルック仕様とナローボディ仕様を設定し、161台が製造され、Gシリーズのスピードスターは合計2,103台が生産されました。
お問い合わせはこちら。
ポルシェセンター浦和：048-863-0911
ポルシェセンター川越：049-241-0911
そして964シリーズの新しい911カレラスピードスターは、930台が生産され、ワイドターボボディも15台が製造されました。
新しいスピードスターは、ルーフをより簡単に手動で開閉できるよう改良され、リアの大きなプラスチック製カバーのロックメカニズムも最適化、そして特別な革の内装と、車両と同じ色に塗装された911カレラRSバケットシートが設定されました。
スピードスターは1993年に発売されましたが、このスピードスターにはエアコンやパワーウィンドウがなく、さらに最初はエアーバッグもなしとなっていました。
993シリーズをベースにした911カレラスピードスターは、さらにレアな車です。
当初フェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ自身 のために開発したこの車のボディはグリーンで、17インチホイールとティプトロニックSトランスミッションを搭載し、カレラボディをベースにしました。その後、米国の俳優ジェリー・サインフェルドのために2台目が製造されました。マニュアルトランスミッションを搭載し、18インチホイールを履いたターボワイドボディの4Sモデルとしてデザインされたシルバーのスピードスターを受け取りました。
その後は2010年に997シリーズのスピードスターがデビューするまで、顧客がスピードスターの新車を入手することはできませんでした。その911スピードスターは、2011年Porsche Exclusive Manufakturの設立25周年を記念して発売。フラットな輪郭で見た目にもスポーティな手動式ソフトトップ、コンバーチブルトップ収納リッド上には特徴的なダブルバブルを備えていました。ポルシェ911スピードスターは、2010年10月上旬のパリモーターショーで世界初公開されました。排気量3.8リッターで最高出力300kW（408PS）を発生する6気筒ボクサーエンジンを搭載したこのモデルは、わずか356台の限定生産でした。
2018年、ポルシェは自身が贈られたとしたら最も嬉しいと思えるプレゼントを公開。「911スピードスターコンセプトカー」です。この車は、ドイツで開催された「ポルシェスポーツカーの70周年記念」の式典においてワールドプレミアされました。このワンオフのヘリテージモデルは、プロフェッサー・フェルディナンド・ポルシェが1948年に設立した創業時と現在をつなぐ架け橋です。
その妥協のなさと歴史に忠実なデザインの911スピードスターコンセプトカーは、「最高のドライビングプレジャーを提供する」というポルシェブランドの核心を表しています 。このコンセプトカーは、英国・グッドウッドの「Goodwood Festival of Speed」、米国・カリフォルニア州での「レンシュポルトリユニオンVI」、さらにフランス「パリモーターショー」でも公開され、夢の車は市販車として現実となりました。